ヨガとキックボクシングと空手の歴史で述べましたように、空手とキックボクシングは親戚のような関係です。
そこで、というわけではないのですが、子供にキックボクシングを習わせようと思っていても、子供のうちは伝統空手を習わせるというのも選択肢ではないかと思います。
フルコン空手でなく伝統空手
フルコン空手は顔面への手技が無いので、むしろ安全という意見もあるのですが、ここでは一般的なイメージで伝統空手の方を差しています。
理由は以下に並べます。
安全性
これはそのものズバリ、寸止めの方が安全だからです。
もし本格的に格闘家に育てようとしていたとしても、あまり子供のうちから脳にダメージは受けなくていいんじゃないかと思います。
寸止めでも大人でメンホー無しの試合をすると、顔面ありな分むしろ危険な場合もあるのですが、とりあえず子供には安全ではと思います。
型を覚える
キックボクシングに空手の型が有効かどうか、は難しい話なので人によって回答の違うところですが、個人的にはキックボクシングにも空手の型は使うかと思っています。
知られていませんがキックボクシングの本家ムエタイにも型はあります。
大山倍達氏によると、
「型は1万回稽古せねば使えない」というような発言をした事があります。
これは、まったくその通りだと思います。
そして古くから伝統空手を習っている身としては、1万というのは大した数字ではありません。
1日10回しか稽古しなくても3年ちょっとで1万回です。
とはいえこれは「実戦で型の技を使うぞ」という意志で練習した場合で、
実際にはかける事もできない技を演舞しても奇声を発する、目をいからせる事でポイントがつく試合を想定する稽古とは別の話です。
個人的にキックボクシングをしていて「あ、自分は今空手の技を使った!」と思えた時の型は、
抜塞(バッサイ)
公相君(クーシャンクー)
に出てくる技です。
これは人によって答えの違う問題なので、ご参考までに。
子供の競技人口が圧倒的に多い
これは数の論理で、漫画のように親から子、師から弟子に稽古をつけるだけでは対人練習として不足で、同年齢、同体格の子供たちと対人練習をして試行錯誤する機会は多いに越したことはありません。
そうすると日本では子供による競技人口の多い伝統空手が良いのでは、となります。